12月/14/2016

ドキュメンタリー「大地を受け継ぐ」

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今回は、少し真面目な話。
私は日本滞在中に日本映画をいくつか観ました。どれも個性的で素晴らしいものばかりだったのですが、その中の一つ、ドキュメンタリー「大地を受け継ぐ」は今の日本の現実や真実を正確に伝えているだけでなく、観終わった後になんとも言えない感情が押し寄せてきて、これをどう表現したらよいのかわかりませんでした。
少し落ち着いた今、このブログで私の思いとともにぜひ紹介したいと思います。

「大地を受け継ぐ」は、11人の子どもたちが福島へ向かい、知られざる農家の孤独な“声”に耳を傾ける、たった一日の食と命の体験のドキュメンタリーです。

私が日本滞在中に疑問に思ったのは、福島の原発のその後の状況についてのニュースをほとんど目にしなかったことです。
私自身もそのことについて人に聞くことが何か憚られるというか…聞いてはいけないことのように感じました。
この作品を手掛けた井上淳一監督は、
「どんなことであれ、自分の身に引き寄せて考えるのは、体力も想像力も必要で、辛いものです。ましてや、(このドキュメンタリーに出演されている)和也さんが語った経験は生々しく、その痛みや苦しみに向き合うときの負担も大きい。だからこそ、あの子たちが、痛みや苦しみを彼らなりに受け止めて、真剣に原発事故と向き合ってくれたことが、一つの希望の萌芽であると…言えるのかもしれない。」と。

どんなことであれ、自分の身に引き寄せて考えるのは、体力も想像力も必要で辛いもの…痛みや苦しみに向き合うときの負担も大きい…

井上監督の言葉は本当に的確で、どんなことにも置き換えることができるのです。
例えば、戦争然り、身近に起こる出来事然り…
「忘れた」のではなく「忘れたい」から現実や真実から目を背け、何ごともなかったように過ごしていく。
日々の生活に追われ、自分の身に今現在起こっていないことは後回し…
でも、それが普通だと思う。私も毎日一瞬一瞬をこのことについて考えていられるわけではないし…
だけど、私が偶然にもこの作品を手掛けた監督と久々にお会いし、このドキュメンタリーを拝見し鑑賞後にいろんな感情や感想を持ったのは確かで、またこの作品を観たことがきっかけで今回こうしてブログに紹介したいと思ったことが、
監督がおっしゃっていた、
「この作品を観たお客さんが、あの学生たちと同じように、心に小さな引っ掻き傷を受け、その学生がラストに新宿に消えていくように、町の中にウィルスのように広がって行けばいいな。」
に繋がって行くのではないかな…と。私を含め当事者でない私たちも原発事故がもたらしたものを受け継いでいく必要があるのではないかな…と。

「大地を受け継ぐ」大地を受け継ぐ 公式WEBサイト

事故の風化が危惧されている今だからこそ、このドキュメンタリーをたくさんの人に観てもらいたいと心から思いました。


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